2010年 06月 08日
ホワイトハウス記者へレンがついに辞職
彼女は、アイゼンハワー大統領を皮切りに歴代の全大統領を、57年間にわたって取材してきた。ホワイトハウス記者協会の女性初の会長も勤めたことがある。女性記者の草分け中の草分け。その超ベテランに何があったのか。
報道によると、彼女の「イスラエルは今すぐパレスチナから出ていけ。彼らの土地です。ポーランドでもドイツでもどこにでも行きなさい」というコメントが、「侮辱的で攻撃的」と批判された。しかもこのコメントは、先週のホワイトハウスで開かれたユダヤ人伝承月間でなされたものだという。時と場所と職業をわきまえない差別的ともいえるユダヤ人非難に、ごうごうたる批判が起こった。彼女は「間違ったコメントをしてしまい、まことに申し訳ない」と謝罪した。両親はレバノン出身。
彼女はかねてから辛らつすぎる論調で物議をかもしてきたといわれるが、長いキャリアをこのような形で終えざるをえないのは、彼女自身最も残念だろう。今回の発言はともかく、女性記者が政治報道の頂点に立って、おんとし90歳近くまで現役で活躍できたことは驚嘆に値する。彼女のすぐれた才能もあるだろうが、アメリカのジャーナリズム界の性格にもよるのではないか。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/06/07/AR2010060701493.html?hpid=topnews
http://news.bbc.co.uk/2/hi/world/us_and_canada/10259646.stm
http://www.guardian.co.uk/world/2010/jun/07/white-house-reporter-helen-thomas-resigns