ついに映画産業にクオータ制

c0166264_1832164.jpgノルウェーは、ついに映画産業の男女平等にクオータ制を導入した。監督、脚本、制作など映画の主要ポストに少なくとも40%は女性を入れよという文書が、1月13日、文化大臣から提出された。

2009年、ノルウェー映画館で初演された映画の主要ポストには、女性は20%しか占めてなかったという。政府は、男女平等の映画に近づくために、女性が40%に満たない場合は、映画制作への支援を凍結することなど具体的な提案をした。同時に、昨年末からは2年間の「女性の脚本家メンター計画」を立ち上げ、女性脚本家増にとりかかった。

脚本家・漫画家のエイリック・イダール(Eirik Ildahl 男)のこの問題へのコメントは首肯に値する。

「男性の作品だからいい映画だということはないのです。映画撮影・制作において主要な人物にジェンダー不平等が目立っており、男女平等の責任あるポストにつくべきだということに反対する人は、この国にはいないはずです」

c0166264_1844132.jpg「にもかかわらず映画産業に女性が極端に少ないという現実があります。何らかの理由で、映画デビュー前に多くの女性はあきらめてしまいます。脚本家、監督、プロデューサーとして教育・訓練をつんだ女性たちの才能が無駄になっています。なぜか? 理由は複雑です。しかし、この現実に対処すべきだということははっきりしています」





さらに、社会全体の問題に言及する。

「大事な点は、映画産業はフリーランス、つまり自営業なのです。映画産業に限らず、農業からタクシー運転手、ジャーナリストなどすべての自営業者において女性は4分の1しかいません。家庭の責任が男性より重いのかもしれません。長期間にわたる経済的不安に耐えられない女性が多いのかもしれません。しかし、女性に能力がないからではないことだけははっきりしています。ノルウェー・ジャーナリスト連盟、ノルウェートラック協会、ノルウェー農民協会など自営業の組合は、長年、自立可能な経済の改善に向けて闘ってきました。政治的改革はまだです。つまり、この問題は、映画産業における女性問題にとどまらないのです。“赤緑”政権の挑戦は、雇用されて働く人と同様自営業者が社会的権利を獲得するということなのです。これは未来の社会づくりです。未来のノルウェーの社会づくりに女性が多いに参加することなのです」


参考リンク
http://rushprint.no/2010/1/bransje-i-ubalanse
http://www.dramatiker.no/index.php?id=21699
http://www.aftenposten.no/kul_und/article3463119.ece
http://www.aftenposten.no/nettprat/article3463663.ece
「すべての才能を生かせ!:ノルウェー映画産業を男女平等にするための提案」(ノルウェー映画審議会)
http://www.dramatiker.no/media/Bransjeraadets_rapport.pdf
「ノルウェーの起業:OECD比較」
http://www.sivil.no/magma.asp?FILE=2000/01/15Entreprenorskap.html

■写真上は、文化大臣が提出した文書「すべての才能を生かせ!」、下は20%しか女性がいないことを示す図表(文書中より)
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by bekokuma321 | 2010-01-24 18:32 | ノルウェー