ほらね、パパ・クオータはうまくいった!

c0166264_1221080.jpg1月12日、ノルウェーの経済紙Dagens Næringslivは、父親の育児休業の影響について発表した。家庭と仕事の間にはさまれた際、どちらをとるかについて、育児休業をとった男性のほうが、家庭に重きを置く結果となった。

スタヴァンゲル大学の調査によると、男性でパパ・クオータをとった社員は、その後、仕事よりも家庭を優先する傾向が高いと出た。調査にあたったIngeborg Foldøy SolliとMari Regeは、こう述べる。

「小さな子どもを持つ男親で、パパ・クオータをとった人は、あまり管理職への野心など持たず、オーバーワークも控え、家庭と仕事を両立できるような仕事の仕方を選んでいるという結果になりました。さらに子どもが病気だった時や、保育園の記念行事がある時など仕事を休んでいるのです」

これらはみな女親が、これまでずっとしてきたことだ。そのたびに女性社員は、社内で「だから女は」と批判されてきた。今、男親がやっと女親に近づいてきたのである。近づいてきた男性は、パパ・クオータ制を取得した男性だというのだ。

さらに、Solliは、「パパ・クオータが意図した成果そのものです」と強調する。

現政権は、リーケルン(男女同一価値労働同一賃金を表すノルウェー語)を掲げ、男女賃金格差解消に動いている。それには、男性の意識変革が最重要である、とされ、その一手段に男親の育児休業取得を奨励している。

1993年に創設された男親だけの育児休業(通称パパ・クオータ)は、当時4週間だった。そして父親のわずか4%しかとっていなかった。それから16年間が過ぎ、少しずつ、パパ・クオータは長くなり、父親の取得率は上がってきた。最新の調査によると、2009年7月から期間は10週間に延びた。そしてなんと父親の90%がとっている。

日本の経済新聞にあたるエコノミスト向け新聞が、「ほらね、パパ・クオータはうまくいった(Se, pappaperm virker)」という見出しをつけて、上記のように報道したことに、ノルウェーらしさを感じた。

■Dagens Næringsliv紙記事(ノルウェー語)http://www.dn.no/forsiden/politikkSamfunn/article1815953.ece

■ノルウェーのパパ・クオータについては
『ママは大臣パパ育児』(三井マリ子著、明石書店刊)

■写真は、育児休業中の財務官僚。IT会社勤務の彼女の夫は、この数週間後にパパ・クオータをとった。(2009年夏、オスロにて)
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by bekokuma321 | 2010-01-20 11:59 | ノルウェー