衆院選と女性:比例区定数削減案は小政党、女性候補を痛めつける

先の衆議院選挙で、女性議員が初めて480議席の1割以上を占めた。女性候補は229人で、全候補者1369人の16.7%。女性当選者は、前回の43人から11人増えて54人となり、11.3 %である。過去最多だ。

しかし最多の当選者と言っても、全体のわずか11.3%にすぎない。世界の国会における女性議員率は平均18.5%だから、世界の平均値にはるかに及ばない。

ところで、民主党が政権をとったら、比例区削減案を通す見込みだという。この比例区削減案は小政党や女性候補にとって命を縮める案だ。民主党の女性議員に、党内で反対してもらうよう、切望する。

続きは
■女性当選者過去最多でも議員率は世界の下位
―民主党の「比例区定数削減」策では小政党、女性候補は不利に
http://janjan.voicejapan.org/government/0909/0909019596/1.php





女性当選者過去最多でも議員率は世界の下位

民主党の「比例区定数削減」策では小政党、女性候補は不利に

三井マリ子2009/09/02


 先の衆議院選挙で、女性議員が初めて480議席の1割以上を占めた。女性候補は229人で、全候補者1369人の16.7%。女性当選者は、前回の43人から11人増えて54人となり、11.3 %である。過去最多だ。

 当選者には、農業経験者、薬害訴訟原告、労組出身者、教員など多様な経験を積んだ女性たちがいる。しかし最多の当選者と言っても、全体のわずか11.3%にすぎない。世界の国会における女性議員率は平均18.5%だから、世界の平均値にはるかに及ばない。

 世界の国会(1院)における女性議員率の国際比較をしているIPUという組織によると、2009年7月31日現在、日本は、世界187カ国中134位と低かった。ケニアとトルコの間に位置し、ガンビアと同じランキングである。今回の衆院選で11.3%に上がったものの、この数字はアゼルバイジャンやルーマニア(11.4%)の下、ボツワナ(11.1%)の上に位置する。他国が変わらないと考えると、今は世界で119番目だ。

 主要政党の女性立候補者数、女性当選者数、女性の当選率、政党内の女性議席割合を比べてみる。
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小選挙区の当選者は、民主21、自民2、社民1で合計24。小選挙区当選者の87.5%が民主党である。比例区では、民主19、自民6、公明3、社民1、共産1で、合計30。比例区当選者では63%が民主党となっている。

 女性当選者は、今回も比例区が56%と多い。とくに民主党以外の政党は、比例区がなければ当選は難しかった。

 民主党は、マニフェストに「政権交代が実現しやすい選挙制度とするため、衆議院議員の比例定数を80削減する。参議院については選挙制度の抜本的改革の中で、衆議院に準じて削減する」と明記している。女性候補にとって当選にむすびつきやすい比例区の定数を減らすことは、女性に不利になることは目に見えている。

 「政策決定の場を男女平等に」は、世界のすう勢である。民主主義の土台でもある。世界には、女性が当選しやすくなるような暫定的特別措置(クオータ制、アファーマティブ・アクションなど)を実行している国々も多い。一方、日本政府は、今夏、国連女性差別撤廃委員会から女性議員の少なさを指摘されたばかりである。

 同委員会は日本に対して、「女性が政治的分野の代表となることは、人口の多様性を政治に真に反映させることだとの確信を持ちなさい」、と勧告している。さらに委員会は、「実際に女性が男性と平等になるために、暫定的特別措置を実行して、政治的・公的分野における女性の代表を増やしなさい」ともいう。そして、クオータ制、基準値の設定、目標設定、動機づけなどの暫定的特別措置を含む具体的方法まで示して、日本政府に実行を求めている。

 民主党の比例区定数削減案は、現在の日本においては、小さな政党や女性候補を決定的に痛めつけることになる。それは、国連の勧告に背を向けることにもなる。

(出典 http://janjan.voicejapan.org/government/0909/0909019596/1.php
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by bekokuma321 | 2009-09-02 11:48 | その他