c0166264_2017033.jpg私の周りには、幼い頃から常にDVがありました。その私から見て、日本でDV対応がちゃんとなされているとはとうてい思えません。

ですから福祉先進国といわれる北欧がどのような対応をとっているのか、とても興味がありました。それで三井マリ子さんの「北欧のDV対策と日本の今後」という講座に参加しました。

刺激的ポスター
会場で渡された講演資料を手にとると、日本とはまるで違う刺激的なポスターのコピーが目に入りました。このような暴行を受けた女性のポスターを日本で貼ったら苦情が来るんだろうなと思いました。

でも、義母から10年にわたって食事を与えられない、殴る蹴る、押し入れに閉じ込められるなどDVを受け続けてきた私にしてみれば、DVの真の姿は、ノルウェーのポスターより実はひどいのです。

日本なら1250カ所のDVシェルター
お話が始まって、まず驚いたのは、ノルウェーには公的資金がはいっている駆け込みシェルターが50カ所あるということです。人口は大体500万人なので日本をノルウェー並みにするには、単純に数だけで1250か所は必要だと言う事になります。

日本に公的資金が入っているシェルターが何個あるのか、私はよく知りません。ただ日本では、DVを受けた被害者には、よほどの事が無い限り、外から手を差し伸べてくれるなんていう事はないと私は思っています。私が子ども頃に受け続けたDVは、完全に逮捕されるレベルだとは思うのですが、当時は「子どもへのしつけ」の一言で片づけられていました。

時代は変わりましたが、平成(1990年代以降)になっても、DV対策はあまり変わっていないようなのです。

日本の行政は被害者をたらい回しにする
公的なところ(女性センターとか、市役所とか)に相談窓口があるとは聞きますが、そこに行っても「それは警察に報告したほうがいい」とか言われます。そして警察に行けば行ったで「実家があるのなら、そこに頼れ」とか「自分で何とか逃げろ」とか言われます。理由も原因もさまざまなのに、日本の行政にはがっかりする事ばかりです。

駆け込みシェルターらしき所に接触したことはあるのですが、あれこれ制限があって、被害者側に立って親身になってくれるということとは程遠いものだ、と感じました。

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それに比べて、ノルウェーは1970年代からDV対策がこんなに進んでいたとは、本当に驚きました。

そのノルウェーも、初めは女性たちがポケットマネーでDV相談を開設したことからスタートしたのだそうです。日本にもそういう女性はいるのでしょうが、数少ないのでしょう。そういう女性も出る杭は打たれるで、続かないのかもしれません。議員や行政の幹部になる女性がいても、結局権力側についてしまい、DV対策というようなことに熱心になる人が少ないのでしょう。

24時間365日体制で滞在日数無制限、働く人は有給
それに比べ、ノルウェーのシェルターは24時間体制、365日オープン。本気度が凄くて、天国のように感じてしまいます。おまけに滞在日数に制限がないそうです。

正直、女性が経済的に自立出来る状況は、ノルウェーより日本の方が難しいと思えるのに、日本の場合、早期に退所して、早期の自立を要求されては、たとえDV家庭でも、家を出る事を躊躇する人がいても不思議ではないと思います。

そのうえノルウェーでは、シェルターで働く人たちの給料が国立病院の看護士と同一だったそうです。公的資金が入っているからだと三井さんは言います。日本とは比べ物にならない程充実しているノルウェーのシステム。私たちの税金は、こういうところを優先的に使うべきだとつくづく思います。

DV家庭の子どもの声を聞こうキャンペーン
ノルウェーではDV家庭の子どもの声を聞こうというキャンペーンが盛んにおこなわれたということも知りました。日本は、子どもの死因や問題の背景にDVがあることを見ようともしません。

たとえば、子どもが夜中に繁華街をウロウロするのが問題だと言いますが、子どもが家にいられない状況に置かれていることを真剣にとらえている行政があるのでしょうか。形ばかりのミーティング位はするのかも知れませんが、行政が真の原因に立ち向かおうとしているなんて聞いた事もありません。日本の行政って、人権を無視しすぎると思います。

ノルウェーでは、1960年代前は今の日本と似ていたと講演で聞きました。同じ年月を使ってここまで進歩してきたノルウェーと、ひょっとしたら後退してるような日本との違いに唖然としました。

三井さんは、最後のほうで、公的資金がDVに配分されるかなど予算を決めるのは議会だと言いました。議員を選ぶ選挙の仕組みが日本とノルウェーでは違っているのだと思えました。私が生きてる間に、この日本をノルウェーのような仕組みに近づけることができるのでしょうか。

中山 あみ(サバイバー)

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# by bekokuma321 | 2017-11-21 20:46 | ノルウェー

c0166264_19574073.jpgガーディアン紙によると、EUの欧州委員会は、加盟国における上場企業の取締役会に女性を増やすため、クオータ制導入の提案をする。

かねて、欧州委員会は上場企業のトップランクに女性を40%にするという提案をしていた。しかし、「国内問題に手をつっこみすぎだ」という理由でドイツ、オランダ、スウェーデンが反対し、「イデオロギー的動きだ」という理由からハンガリーやポーランドが反対していた。

そこで今回は、男性が社外取締役の60%以上である会社は、同等の能力を持つ候補と考慮された場合、女性を優先することが求められるとした。

ガーディアン紙に対して、EUの欧州委員会における男女平等と性差別撤廃の責任者ヴェラ・ヨウロバーは、次のように述べたという。

「取締役に男女がいて多様性をもたらすことは、ビジネスにとっていいことなのだという証拠がごまんとある。大学卒の65%が女性となっていて、その才能と投資を生かさない手はないでしょう」

20日、月曜日、クオータ制とともに男女賃金格差を是正する提案も出す予定だという。

EU to push for 40% quota for women on company boards
Swedish opposition blocks gender quota bill for company boards
What do China, Japan and the US have in Common?
Only Gender Quotas Can Stop the E.U. from Being a Boys Club
ヨーロッパを動かしたノルウェー「取締役クオータ」
“取締役クオータ制”、ついにEUに
ノルウェー世界初の民間企業クオータ制
マンデラとクオータ制
EU、2020年までに取締役クオータ制の法制化か
ドイツ誌「シュピーゲル」、ノルウェーのクオータ制を特集
日本の政党とクオータ制

【写真はVĕra Jourová Commissioner Vĕra Jourová addresses Brussels legal community and sets priorities for 2015より】
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# by bekokuma321 | 2017-11-20 20:21 | ヨーロッパ

変えなくてもいい日本国憲法を変えたい人が大勢、国会に増えた。

さて、ノルウェー憲法制定200年を迎えた2014年、私はオスロ中央駅の壁に巨大な展示物(下の1枚目)を見つけた。

「ノルウェーの肖像」 と題されたアート・プロジェクト。制作者はトロン・H・ハウゲン。 著名な絵画「1814 年アイツヴォル憲法制定議会」(下の2枚目)を、今風にアレンジして構成されていた。

最大の違いは、200年前の歴史的絵画に女性は一人もいないが、21世紀のポスターには女性が半数いることだ。さらに、労働者57人、失業者2人、学生6人、農業1人、移民13人、サーミ1人、性的マイノリティ6人、妊娠女性1人ーーノルウェー社会の正しい縮図が表現されている。

詳しい背景を知りたいかたは、「叫ぶ芸術 ポスターに見る世界の女たちーーこれぞ民意の反映(ノルウェー)」( I 女のしんぶん)をクリックしてどうぞ。

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▲2014年、オスロ駅に掲げられたポスター「ノルウェーの肖像」(トロン・H・ハウゲン)。憲法制定200年を記念して制作された。1814 年憲法制定会議の代議員 112 人の現代版。写真は本物を接写

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▲「1814 年アイツヴォル憲法制定議会」by Oscar Wergeland。ノルウェー全土から選ばれた112人で憲法をつくった。本物の絵画はノルウェー国会議事堂内に掲げられている。写真は絵葉書

連載「衆院秋田3区の政党交付金」第 24 話 死に票がない比例代表選挙
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# by bekokuma321 | 2017-11-20 16:58 | ノルウェー

c0166264_2297100.jpg11月11日、「選挙が変われば政治が変わる 選挙マルシェ」に参加しました。基調講演「民主主義世界一の国ノルウェーの選挙」(三井マリ子) について報告します。

印象に残っている特徴を2つあげます。一つはノルウェーの「選挙法」は、日本の「公職選挙法」とは全く違うということ。二つ目は、高校生による「スクール・エレクション」(政党討論会と模擬投票)が選挙前にいつも行われるということ。

ノルウェーの選挙法には、日本の選挙運動で禁止されている事が、ほとんどないと言えます。「選挙運動期間なし」「戸別訪問OK」「チラシは自由に何枚配ってもOK」「政党同士の公開討論会いつでも何回でもOK」「供託金なし」、など。

選挙は、完全比例代表制です。東京新聞の記事だったかFEM-NEWSだったかによると、「もうじき投票なのに、国会議員候補になっている友人が、選挙区を離れて三井さんを空港に迎えに来た」というのです。それは、比例代表制なので、選挙運動は、候補者個人が宣伝する必要がなく政党の政策PR中心だからのようです。

ノルウェーの投票率はいつも80%近いということです。この高い投票率を実現するために、有権者の立場に立っていると思われる次のような工夫がなされています。

⓵投票日は、9月第1または第2月曜日と法律で決まっている(解散がない) ②事前投票期間は2か月 ③事前投票所が身近に設けられている ⓸住民票のない地域でも事前投票ができ、選挙管理委員会が住民票のある自治体へ投票が済んだ用紙を届ける ⑤小学校から始まる政治教育によって、政治が身近である ⑥投票は、日本のような自書(投票用紙に自分で書くこと)ではない。投票ブースに用意されている全政党の候補者リストから自分の支持政党の1枚をとって投票箱にいれるという簡便さ。

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スクール・エレクションは生徒会主催の学校行事として、ノルウェー全土の高校で行われているそうです。ノルウェーの被選挙権は、選挙権と同じく18才からです。よって、高校生でも議員に立候補します。実際に地方議員に当選した女子高生の映像を見せてくれました。

スクール・エレクションは、強制ではないものの毎回、8割がたの高校が参加しているとのこと。大勢の生徒が、講堂に三々五々集まります。壇上に並んだ政党の代表者が次々に政策を説明し、政策ごとに討論しあいます。生徒たちの目はランランと輝き、関心の強さが映像からはっきりと伝わってきました。政党の討論会が終わると、別室にある政党の選挙ブースで、生徒たちは各自、政党に質問します。

1、2週間後、高校生が選挙管理委員となって「模擬選挙」が行われ、その結果は、新聞やテレビで大々的に公表されます。

高校の校内で選挙運動をしていることに驚き、次にノルウェーの政治教育が小学生から始まっていることに感心ました。

小学生が4,5人のグループで、あらかじめ用紙した質問用紙を持って、各政党の選挙事務所(選挙テントと言われる)を回って、政策を調査する様子が映像で紹介されました。これは、学校の授業の一環で、調査票も小学生自らが考えて作成しているということです。

このように、ノルウェーの国民にとって、政治とは、音楽や、芸術やスポーツと同じように、生活と切り離せない一つの分野となっているようです。つまり、「国語」や「算数」と同じく、日本にもある「社会」なのですが、そのなかに「生きた民主主義教育」が組み込まれているのです。

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三井さんの講演後、日本で政治参加について運動している若者グループのパネルデスカッションがありました。ここでも、ノルウェーのスクール・エレクションについて、いくつか質問が出て、関心の高さがうかがわれました。

この集会は、全国フェミニスト議員連盟も協賛団体の「選挙マルシェ」。司会進行は同連盟共同代表の日向美砂子さんで、会員が10人ほど参加していました。また午後からの議員による「若者の政治参加」の様子は、伊藤正子さんによる同連盟フェイスブック投稿を参照してください。

岡田ふさ子(さみどりの会、全国フェミニスト議員連盟)

【写真上:講演する三井さん。中:三井さん作成のパワーポイント「スクール・エレクション」 下:司会の日向美砂子議員、三井マリ子講師、POTETO東京青年会議所ivote日本若者協議会の各代表】(撮影anonymous)

日本&ノルウェー 政治環境の違いを超えて(選挙マルシェ)
「教育を変えなければ」と思った(選挙マルシェ)
市民に優しい選挙制度(ノルウェー)(東京新聞)
スクール・エレクションは民主主義の学校(ノルウェー)
投票者にも候補者にも優しい選挙(ノルウェー)
北欧福祉社会は地方自治体がつくる
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# by bekokuma321 | 2017-11-19 02:47 | ノルウェー

10月22日の総選挙で国会(1院)に占める女性は10%になった。だが、世界の女性国会議員率でランクを出しているIPUは9月1日時点のため、日本は依然として165位。このスキャンダラスな数字を決して忘れないためにも、再び下に掲げる。

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もうじき、前回の総選挙の結果にもとづいて、日本のランキングは世界160位から162位ぐらいに上がるだろう。あ~なんとめでたいことよ!

日本の女性国会議員率、世界164番目
女性議員増法案、成立ならず
6月15日「女性議員増やそう法案を成立させよう集会」へ
「身を切る改革」どころか「民意を切る改革」
日本の女性議員率、世界189カ国中161位
日本の女性議員率、世界163位
世界で最も女性議員が多い国ルワンダ
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# by bekokuma321 | 2017-11-18 09:16 | ノルウェー